【完】キス、kiss…キス!
ライスシャワーの後は、花嫁さんのブーケトス。独身女子達は、こぞってそこに群がった。


花嫁さんが後ろを向いて『えい』と投げたブーケが、ふわっと空中を漂う。そして、我先にとブーケを取ろうとする女の子達。中には、秋斗の学校の生徒さんも沢山いる。


私も欲しい。すぐ結婚出来ないのは分かってるけど、やっぱり女というものは、これを取るのに一種の憧れがあるんだ。


手を伸ばしたら届きそうな距離。空中へ思いっきり手を伸ばすと、トンと手に当たり、ワンクッション。


ブーケは勢いを失い、着地する。その落ちた先は……。


「……あ。キャッチ、しちゃった」


私の少し隣で引いて見ていた、ナオちゃんの手元だった。


「「「あー!」」」


ブーケを狙っていた女の子の悲鳴に、ビクッとした後困った顔でふにゃあとナオちゃんは笑って、その悲鳴に困ってしまった。
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