Sky
「先生は悪くないよぉ~。私、卒業アルバムの集金の時には、もういなかったもん」



「でも…」



俺の言葉は、そこまでで止まった


『もうこれ以上言うな』っていう目で、梨衣がこっちを見てる





「見てー、この写真!天がすっごい変な顔して写ってんの!美由と私はめちゃくちゃカワイイのにね~」


「ほんとだぁ!天ちゃん、おもしろい~」



女二人は笑い合っている



きっとこれは、梨衣なりの気遣いだ


アルバムがなくて一番悲しいのは美由なんだ


そしてその悲しさを美由は乗り越えたんだと思う


それを今さら、俺がグダクダ言ったところで、美由がまた悲しい思いをするだけじゃないか





…梨衣って、こういうところはすごいんだよな~…人の心を読み取って、考えてやれてるっていうかさ


そこだけ、尊敬するよ。そこだけな





「人の顔、おもしろいなんて言って笑うなよ!ひで~な~!」



俺は頭を掻きながら、二人の話に加わった

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