フェアリーテイル~キミとオレとの約束~
父様は、全部を知っていたんだろう。
自分の妻が生きて誰かと一緒にいることも、彼女が幸せなことも。
全部知ってた。
ただ、興味が無かっただけ。
父様にとって母様はなんてことない、ただの子供を産む機械だったんだろう。
だから愛人と平気で同居させたし、好きな女の子供な訳でもないあたしなんて、どうでもよかった。
別にいらなかった。
周りがうるさいから、テキトーに作ってみた失敗作。
周りがうるさいから手放さない、ただの道具。
「真希…?」
「え?なに?」
でもあたしには、翔がいる。
好きだよ。
大好き。
「魚が焦げてるよ…」
「うわっ、表面真っ黒だ…」
真っ黒。
焼け焦げて、ヒドく臭う。
翔はナイフを持って来て、できるだけ焦げを削ぎ落としていった。
中身のまだ無事な部分が顔を覗かせる。
「ふぅ、とりあえずはこれでよし。珍しいね失敗するなんて。」
「そう、だね…」
「何考えてるの?真希。」