フェアリーテイル~キミとオレとの約束~


エリックはいい保護者だ。


オレを引き取った時、たった24歳の医者を目指していたいち学生だったのに。




「うわっ、真っ黒じゃないかこの魚。真希が焼いた?」


「あー、ごめん。洋食は得意だけど、和食はね…」


「珍しいヤマトナデシコだね。」




そんな言葉、どこで覚えて来たんだ?


あ、そういえば3年くらい前にドラマのDVD見てたっけ…



オレは自分で作った味噌汁を飲みながらあの時のエリックを思い出した。


あれから日本語をたどたどしく話すようになったんだっけ。


何言ってんのかサッパリな日本語だったけど。




「翔。それ中身入ってるの?」


「あ…」


「マヌケだね。ジュニア。」


「タラコにシシャモプラスしてあげようか?」


「Sorry…(ごめん…)」




オレは空っぽだった器に味噌汁を注いだ。


空になっているのに気付かずに口元から離さなかったらしい。



確かにマヌケだ。




「翔ー!今日日番じゃない?」




うわっ!忘れてた!



オレは慌てて食器を片付けようとした。




「今日は私がやっておくよ。ジュニアは私を甘やかしすぎだ。」




とエリックが食器を片付け始めた。


悪いけど言葉に甘えよう。




「ありがと。」




いつもの、朝なはずだった。


そこまでは。





ピーンポーン…――




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