男前な彼女




聞いたことをちょっと後悔していたら、大和がニヤッとする。




「当然だろ?俺様が住む家なんだから、これくらいの広さはないとなぁ!はっはっは」




…………。


どうやら、心配する必要はなかったらしい。



――なにが、『はっはっは』だ。







「なぁ、それより……」




大和があたしにじりじりと詰め寄ってくる。




「ちょ……大和」




あっという間に背中が壁にくっついた。


大和は壁に手をついて、あたしを見つめてくる。





「久しぶりに…しよ」


「は…はぁっ!?」





――何を言っているんだこいつは。





「ホント、お前男前だよなぁ…男を襲ってるみてぇ……」


「ちょっ、まっ…!」





手首を掴まれて、壁に押さえられる。




そのまま、何をするでもなく、じっと見つめてくる。





最近、大和は前よりもっと男らしくなったと思う。


顔とか体つきとかが大人っぽくなって、なんだかすごくかっこよく見える。








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