ウソ★スキ
一瞬、意識がふぅっと遠のく。

あたしはとっさに窓枠を掴んで、倒れそうになった自分の体を支えた。


──今、目の前に起きていることが、理解できない。



その時、背後からほぼ同時に、何種類ものケータイの着信音が鳴り響いた。


そして、さっきまで一緒に話をしていた友達の明るい声。

「あれ? キラからメールだよ」

「あ、あたしもー」




あたしは思わずその声の方を振り返って、大きな声で叫んでいた。



「ダメ!! 見ちゃダメ!!!!」



その言葉と同時に、あたしは走り出していた。


慌てていて、誰かが通路に出しっぱなしにしていた椅子に足が引っかかる。

その椅子は大きな音を立てて倒れたけれど、あたしにはそれを起こす余裕なんてなくて。


「お願い、見ないで!」

あたしは手を伸ばして、友達の手の中の携帯を必死に掴んだ。

「ちょ、ちょっと……美夕、どうしたの?」

「見ちゃダメ!」



──だけど。

驚きながらも、あたしに携帯を取られまいとする友達の隣で、別の友達が小さく呟いた。


「……これって……キラ?」


口に手を当てて、目を見開いて。

携帯の画面を凝視する友達──。



もう、ダメだ……。








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