ウソ★スキ


だけど、これですぐに騒動が沈静化するかというと、そう簡単にはいかなかった──



その日の放課後、靴箱で靴を履き替えていると背後に人の気配を感じた。

振り返ると、そこにはほとんど面識のない上級生が2人立っていて。


「あなた、例の双子の友達よね?」

「……そうですけど」

「私たち、あのサイトの常連なの。あんたの友達のせいですっごーく迷惑してるんだけど」

「そんなこと、あたしに言われても困ります」


あたしの言い方がカンに障ったみたいで、その女の顔がみるみる赤くなっていく。

すると、それをまずいと思ったのか、隣でニヤニヤ笑っていたもう1人の女が慌てて話題を変えた。


「ねえねえそれより、近親相姦って本当なの?」


その言葉に、怒っていた女も口元を緩めてイヤらしい笑みを浮かべる。


「バカねー、そんなの当たり前じゃない。あんな写真撮っといて、『違います』なんて言い訳できないでしょ」

「まあ、そうだよね-」


──くだらない。

あたしは2人を無視して校庭に出た。


だけど。

「ねえ、待ってよ。あんたはどこまで知ってたの?」

2人はしつこくあたしを追いかけて来た。




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