【戦国恋物語】出会いは突然風のように…
そして。


「迦陵……俺の女になれ」

と囁いた。


「ならどうして、こんなに酷いことを?」


「こうでもしなければ、お前は落とせぬ」


「そんな……」


「迦陵」


信長さまは切なげに囁くと、わたしの腿へと手を伸ばしてきた。


「迦陵……」


その囁きとともに、信長さまからいっぱいの切なさと情が伝わってきた。


強引過ぎるけど、わたしを本当に欲しいと思ってくれているのが分かってしまった。


でも、わたしは……。


「信長さま」


それは自分でも可笑しくなるくらい、冷めた声だった。


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