その日、僕は神になった
「先程は素晴らしい演説でした」
ここにもお世辞やろうがいやがるのか…、しかも三人も。僕は曖昧な笑みを浮かべながら三人のもとへと向かった。それぞれの神と硬い握手を交わしながら、僕はその独特の、神の貫録とでも呼ぶべき雰囲気に圧倒されぬよう、気を引き締めた。これくらいでたじろいでいたら、彼らに向けた疑念を解き明かすことなど、夢のまた夢で終わってしまう。
 彼らの顔にはそれぞれ特徴があった。北の神は白い肌に短く刈られた黄金色の金髪、深海のようなコバルトブルーの瞳は、神であるという自信に満ちていた。西の神は白い肌にマッシュルームカットの白髪、澄み切った青空のような淡いブルーの瞳は、高貴な雰囲気を醸し出している。南の神は対照的に、黒く日に焼けた肌に強いウェーブのかかった黒髪、瞳は漆黒の闇を思わせ、生物の本能的な強さを秘めていた。そして僕はと言えば、黄色がかった肌に、肩までの伸びた長髪(先の方だけ軽くウェーブがかかっている)、茶色の瞳には残念なことに、何の強さも秘めていなかった…。
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