その日、僕は神になった
 毎日同じようなシュミレーションを頭の中で繰り返した。金もなければロマンティックな演出も似合わない俺には、結局シンプルな方法しかないというのが結論だった。夕暮れの公園に行き、そこでたった一言、「ずっと好きでした」そう言えばいいのだ。それだけのことを何十回、何百回と描き続けた。その後のことは考えないようにしていた。考えなくとも結果は分かっているし、それを考えだしたら、これまで練りに練った計画を、計画のまま一生封印してしまいそうだったからだ。
 それに結果はどうでもよかった。そりゃ上手くいくことに越したことはないが、自分からこんな風に何かをしようとしていることが、俺にとっては一番の進歩だったから。
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