「みんな、済まない。本官、美術はからきし駄目なんですっ!」

本官は罵倒されるのを覚悟で、こうべを垂れていました。

こんな色彩感覚の欠片も無い、落書き以下の絵しか描けない大人なんて、みんなのアイドルにはなり得ないと、そう思っていたのです。

「気にしないでよ、三塚巡査」

「そうですよ。絵なんか描けなくても、三塚巡査には良い所が沢山有ります」

「こんな子供の僕たちを、馬鹿にしないで相手してくれるのは三塚さん位です」

次々慰めてくれる小さな捜査官たちに、本官は年甲斐もなく、嗚咽を漏らしていました。


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