◇◆センセイは俺の!◆◇
あいつは、俺の知らないみーちゃんを知ってるのだろうか。
知ってるに決まってるか…婚約者だからな。
「孝兄、ちょっとトイレ行ってくる。」
「おぅ、迷子んなるなよ。」
「なんねーよ。」
俺はそれだけ告げると、賑やかなパーティー会場から、外へでた。
長い廊下を歩いていくと、金色で男性用トイレと書いてあるプレートを見つけた。
中に入ると、こんなとこで落ち着いて用が足せるかってくらい金ピカしていた。
見渡しながらも、個室へ入る。
あ、みんな…勘違いしないでよ?
本気でトイレしにきた訳じゃないから。
ただ、1人になりたかった…
頭を冷やしたかったから。
俺はそこがトイレだって事を忘れて、しばらく個室の壁にすがったまま…目を瞑っていた。
頭には、あの余裕ぶった笑みを向ける須藤の顔が蘇ってくる。
思わず、握りしめていた拳でトイレのドアを殴っていた。
「いってぇ…。。」
普通に痛かったぜ…このやろ。。