小悪魔男子
「やま…と…?」
「ん……?」
静かに降ってきそうな、キスの感触を予感しながら目を閉じた―――――
…んだけど。
コンコン
「!」
バッと離れるあたし。
誰だろ!?今日は大和のお母さんたちは来れないって言ってたのに!
邪魔をされたからなのか、あたしに突き飛ばされたからなのか
大和は不機嫌そうな声で「どーぞ」と、扉の向こうの相手に言った。
密かにあたしの頭の中では、”ミヤビチャン”の名前がかすめてなんだかモヤッとしたけど
予想は見事に外れ
現れたのは、すっごく美人な25歳くらいの女の人だった。
「カヤ…!!」
大和が驚いた様子で、彼女のものと思われる名前を口にする。