小悪魔男子



呼ばれた彼女は、思わず見とれてしまうほどの笑みを浮かべて



「…久し振り。…会いたかったよ」



と言い、大和に抱きついた。




「へ?」



その衝撃的な場面に、ただただあたしは驚くばかり。裏返った間抜けな声付きでね。




「…んだよ!!離れろよ!!」


どんっ!



大和はカヤさんを突き飛ばして拒んだけど



親にだってそんな口調で話さない彼が、あたしの知らない女の人の前でキツイ言葉を使っている事にとても不安になる。



ッて言うか。



誰?この人。





「せっかく久しぶりに会ったって言うのに、随分ね。大和は私に会いたくなかった?」



…めげてない。



「っせーな。お前の顔なんかできる事なら二度と見たくなかったよ。イトコなんて、かなり不幸だ」




「…大和…。この人…」



二人の会話になぜか不安になったあたしは口を開く。







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