小悪魔男子


「…コイツ、華耶(カヤ)って言うんだ。俺のいとこ。

海外に行ってたからしばらく会わなくてすんだんだけど、なぜか今ここに居る」



ぶっきらぼうに教えられてなんかちょっと腹が立った。


しかも”コイツ”?


どんだけ親しいのよ!!



むっとしたのと同時位に、華耶さんがあたしに話しかけてくる。



「あなた、誰?」



…何か、本当にこの人に腹が立ってきた。



「…ご挨拶が遅れました。

私、大和君のお隣に住んでいる長谷 沙菜です」



どうだ!!礼儀すらなってない人にはきちんと挨拶しなきゃね!!これで自分の愚かさに気付いただろ!?


…とか、一人で優越感に浸りながらお辞儀をしたが


「ふーん…。


大和。なんか固い子ね?」


頭の上から降ってきた言葉は、あたしをますますイラつかせた。




「…さなを悪く言うな」



ピリピリしている大和。



「あら、別に悪く言ったつもりはないわ?褒め言葉じゃない?真面目そうだってことなのに」



そんな彼の様子に気づいているのかいないのか、華耶さんはニコリと笑顔を作った。







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