小悪魔男子
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「……ねぇ、あんた、
さなが好きなの?」
さなの家の近くを歩いて帰る和樹の姿を見付けて駆け寄った大和。
"あんた"と呼ばれた和樹は戸惑うことなく歩みを止めて振り向く。
「……やっぱり猫被ってたんだな」
「はは…。あんたにだけだよ。
それより質問に答えて」
静かに睨み合う二人。
少し経った時、和樹が口を開く。
「あぁ。好きだ」
「―――……そう。分かった」
「お前、小学生なんだから年相応の奴を好きになれ。あいつを困らせるな」
その言葉を聞いてキレた大和は、和樹の胸元を掴んで引き寄せる。
「…は?あんたに何が分かんだよ。途中から出てきて調子こいてんじゃねぇ。
言っとくケド、あんたの事眼中にないから。
……強敵は他にも居るんだよ」
小学生とは思えない程の口調に、和樹はひるむ。
「強敵…?」
「ま…、多分あんたも知ってる奴だよ。
学校に居る間はさなから目を離さない方が良い」
大和は手を離した。