小悪魔男子



「あ…ヒカル君…」


ニコニコと微笑みながら駆け寄ってくる彼を、無理やり作った笑顔で迎える。


「ケーキ、食べてくれて嬉しいです!

あの、それで…メアドとか、教えて貰ったり出来ますか?」


「えっ?」


突然の事で そんな声しか出なかった。


「あっ、スミマセン…ビックリしますよね、そりゃ。

ただ、ミスター・ミスコンにお互い出てるから、これをキッカケに仲良くなれたらなーなんて。

年上の方のお友達って少ないんです。僕。

勿論、皆さんとも仲良くしたいんですが…

ダメ、ですか?」



「えっと…」


ダメなんて言えない状況だよね、コレ。


薫ちゃんなんてうるうるした瞳であたしを見つめてるし。


心の声が丸聞こえだ。


"断ったりなんかしたら


呪ってやるんだからッ!!"




「あたしは…いい…よ?」


恐ろしい呪いにかかりたくはない。

劇同様に魔女と化していた薫ちゃんは、あたしの返事に満足したらしい。

通常のオカマに戻ってくれた。

「本当ですかっ??ありがとうございますー!!

コレ、僕のメアドで…」



ヒカル君の声を耳の端にとらえながら


大和が居た場所を見ている自分がいた。



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