薔薇姫-another story-

「マレッタのお父さんが病気で危なくて、仕事もうまくいってないから援助が必要でっ…昔お世話になった人にお願いしたら、条件をつけられたんだよ!?」


瞳いっぱいに涙を溜めながら話すメイ様から、私は目を逸らすことができない。


「その条件が、マレッタと結婚することなんだよ!? マレッタはっ…好きでもない人と、結婚しなくちゃならないの!!」


ぽたり、ぽたりと、私の書類の上にメイ様の涙が落ちる。


メイ様の蒼い瞳に、歪んだ私の顔が映っていた。


「だから…だから、マレッタの意思とか言わないで…」


うつむいて、肩を震わせるメイ様を見て、私は立ち上がった。


「…メイ様…」


女性の扱いがわからない私は、ただ不器用に、震える背中に手を添えることしかできない。


メイ様は両手で涙を拭うと、私を見上げた。


「…マレッタを救えるのは、ロゼしかいないわ」


「え…?」



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