薔薇姫-another story-
私は小さく頷くと、再び走り出した。
…広い廊下を駆けながら、思う。
私は今まで、どれだけの人に支えられてきたのだろうか。
私のことを、こんなにも心配し、背中を押してくれる。
そんな人たちに囲まれている自分が…すごく恵まれて思えた。
そしてその中には…
貴女も、含まれているのです。
「―――マレッタ様!!」
自分でも乱暴だと思う程の勢いで、扉を開ける。
その場の空気が、しん、と静まり返った。
中央のテーブルに、マレッタ様と、マレッタ様のお母様。
それに…マレッタ様の相手と思われる男性が腰掛けていた。
「ロゼ…くん?」
席を立ち上がったのは、マレッタ様のお母様のフィリア様。
戸惑った表情を浮かべ、私に駆け寄って来た。
「ロゼくん、どうしたの?」
「…これを」
私は、フィリア様に書類を渡すと、マレッタ様に視線を向けた。