薔薇姫-another story-
「んー…。これくらいなら、言ってもいいかなぁ…よしっ!」
キッと私を見据えるメイ様の気迫に、私は思わず後退りをしそうになった。
ごくりと喉を鳴らすと、次に来る言葉を待った。
メイ様はゆっくりと息を吸うと、その唇を動かした。
「マレッタに訊けば、何かわかるかもよ?」
………は?
予想外の言葉に、私は暫く声が出なかった。
メイ様の真剣な表情からして、冗談などではない…はず。
「マレッタ様に…ですか?」
「うん!」
「はぁ…」
何が何だか、わからない。
マレッタ様が、何かを知っている?
未だ混乱している私に向かって、メイ様は「あ!」と何かを思いついたように声を上げた。
「ちょうど良かった。ロゼ、マレッタ捜してきてよ!」
「…な」
「ね?いいよねっ?」
…やはりメイ様は、たくましく…否、やめておこう。