先生とあたしの恋

「ただいまぁ~」


家の玄関を開けた。

びしょ濡れになった制服…


「お母さん!」


誰もいないのかな…

仕方がないから、ビチョビチョの靴下脱いで


爪先立ちで洗面所に向かった。



ガタンっ!


リビングから物音が聞こえてきた……


濡れた靴下、洗濯機の中に入れて

足を洗い、置いてあったタオルで拭いて

リビングのドアを開けようとした時…


「どうして、どうしてこうなるの?」


お母さんの声が聞こえてきた…

そして


「仕方がないだろう、世の中は不景気なんだ。俺だって頑張っているんだ!」


お父さんの怖い声



最近、2人は喧嘩ばかりしている。



お父さんが勤めている会社が不振で仕事が、上手くいっていない……


どこも不景気だから、仕方ないって、お母さん、言ってた。

お母さんも、パートに出て、家計を助けている……


だけど


いつの間にか


2人は、笑わなくなってしまった……


生活が苦しい


あたしには

何も言わないけど


あたしが部屋にいると

何度も2人が言い争う声が聞こえてきた……



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