ふたつの指輪
今思うと、あそこまであからさまだったのに、どうして言われるがままになってたのかわかんない。


もともと押しには弱いほうだし、お酒も入って、わけがわからなくなってたってのもあったけど。



”魁人、喜ぶよ”


その一言で、あたしはころっと参ってた。



魁人くんを、喜ばせたい。

喜ぶ顔が見たい。


誰かに、おまえが必要だって言ってほしい――



愛されたい――



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分割で、月々ちょっとずつ払うなら、何とか払えるような気がしてしまって。


気が付くと、請求が信じられないくらいにふくらんでた。



それでも、”何とかなるよ”と太陽さんに言われて、すっかり気が大きくなってた。






あたしったら、バカだ。



ほんっと、救いようのないバカだ。
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