私の夢と、彼の事情
父親は彼を見ると、まるで昔の記憶を
探すように顔をしかめる。

だけど、数回しか猫になった弟、つまり
私の叔父の姿を見た事のない父は、思い
出す事ができなかったようで、

「そうだな」とぽつりと呟いただけで、
会話は終了した。

私はこれ以上追及されないように、二階
の自分の部屋に逃げ込む。

部屋に入ると、思わずため息がでた。
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