a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
びりびりと空気が奮え、微動だに出来なかったメンバーも、やがて落ち着きを取り戻し、しおりを一瞥した。
彼女は今にも泣きそうな表情で、ひたすらテーブルに視線を落とし、睨み付けながら唇を噛んでいた。
気まずい空気の中、いつになく冷ややかな眼差しの五月女は、何も言わずにしおりを見ている。
「………だって………」
その時、意を決したようにしおりが口を開いた。
「あの時の私は、何も考えられなかったのよ、亘は居なくなるし、生活は苦しいし………あれ以外、方法がわからなかったの」
「………でも、」
彼女の話を割るように、五月女が再び口を開いた。その口調にさっきの怒りはなく、むしろ穏やかだ。
「慶一を愛してるんですよね?
だからわざわざ置き手紙をしたり、雨に濡れないよう傘を掛けたり、保温の為に新聞を敷いたり。
それだけで、十分だと思います」
「………え?」
しおりは顔を上げ、初めて五月女の目を見た。
「あなたが慶一を愛していること……それだけで、彼は幸せなんです」
五月女は、静かな口調で、しかし凛とした、強い言葉で言った。