a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
「けど、だからって、アンタ達を許せるのかって聞かれたら、それは違う……」
太股の横で握られた拳が震えている。
基は唇を噛み締めた。
「確かに、アンタ達にしたら親父は嫌な奴だったかもしれない…最低な奴だったかもしれない……。だけど、」
目尻から暖かいものが頬を伝い、基は一度言葉を切った。
入り口付近では、入りずらそうに控え目に五月女と本郷が立っている。
沈黙する中、基は叫ぶように口を開いた。
「俺にとっては、たった一人の親父だった……! 尊敬してて、いつか対等な場所に立ちたいって思えるような、理想の親父だった……!」
溢れる涙を拭おうともせずに、基は泣き崩れる。
「…っ……うっ、ひっく…」
抑えきれない嗚咽が雨音と共に倉庫に響き渡る。
その場に居た全員が、言葉を無くして立ち尽くした。