a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜




思えば、この部活に入ってから、色々なことがあった。

明衣は空を見上げながら、走馬灯のように今までのことを思い出す。



遅刻が絶えなかった自分は、結構担任と衝突して、怒られることもしょっちゅうで。

確か、あの日も遅刻して、桑島に説教食らう予定だった。しかし、明衣はそれから逃れるために使われていなさそうな教室に隠れた。


それが、この部活──aucとの出会いだった。


得体の知れない部活のうえに、顧問は大嫌いな楡。

部長も強引で話を聞かないし、同級生の男子も頭が悪いようだった。

最悪だ、と頭を抱えたが、いつからだろう。



部活に行くことが楽しい、と思い始めたのは。


このメンバーで居ることが当然で、居心地が良いと感じたのは。


依頼があってもなくても、暇さえあればあの教室に集まっていた。


三人で。

時には楡を含めた四人で。



明衣の居場所は、そこにあったのだった。







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