a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
ドン、ドン
パラパラパラパラ………
冬の夜空に、色とりどりの花が咲く。
わぁ、と感嘆の声が場内に響く中で、花火はどんどん打ち上げられていく。
「なんつーサプライズ…!」
「空さん…」
明衣の言葉の後に、はっとしたように五月女が呟く。
「胡散臭かったけど、空さんってマジで花火師だったんですね!」
「だからそうだって言ったろ」
大発見、とでも言いたげな五月女の口調に、楡の冷めた返答が刺さる。
「きれいねぇ…」
空を見上げながらうっとりと呟く本郷の横顔は、花火に照らされてきらきらと輝いて見えた。
五月女はさり気なく隣に立ち、「感動ですね!」と声を震わせて言った。
「何アイツ、積極的じゃん」
明衣はそう一人言って、ちら、と楡を見上げる。
彼も相変わらずの無表情で、空に咲き誇る花々を見ていた。
その瞳が花火と同じ色に染まるのを、いつかのように素直に美しいと思った。
「冬の方が空気も澄んでるし、空が綺麗だから、きっと冬の花火はとびきり綺麗だ」
「……え?」
不意に楡が言う。明衣はきょとん、と彼を見つめた。
「空さんがそう言ってたから。皆でこうして見られて、良かった」
楡は、ふと瞳を細めて笑う。
いつか見たその優しい笑顔に、明衣の心臓は跳ねた。