a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
「ねぇ、楡……」
明衣は花火に照らされて鮮やかに染まる楡を見上げた。
楡も明衣の声を聞いて、花火を見ていた顔を明衣に向ける。
明衣は、既にかじかんで冷たくなり始めている楡の手を取った。
初めて楡の手を握ったときも、こうしてひんやりと明衣の体温を奪っていた。
「あたし……」
きゅ、と楡の手を握る。
楡は驚いたように目を見張った。
明衣は構わずに力を込めていくと、くしゃりと眉を寄せて笑った。
「aucやってて、良かったよ」
そして、aucに入って、気付いたことがある。
明衣は楡から目を逸らした。
楡に抱いているこの気持ちは、きっと。
いや、確実に。
───…恋、なんだと。