a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
「お母さん、赤ちゃんも頑張ってますからね!」
「大丈夫ですよ〜。落ち着いて呼吸してください」
医者が周りで何か言っている。
けれど、頭がぼうっとしてきて、あられもないところが引き裂かれるように痛い。
新しい命は、その頭の先端を覗かせていた。
もう少しで、その姿が拝めるのだ。
祐子は気力を振り絞り、医者の掛け声と一緒に力を入れた。
──!
ズルリとした感覚が下半身を走り、歓声のような声が響き渡る。
しかし、一番聞きたいはずの声が、聞こえなかった。
「………うそ……」
医者も目を見張った。
「泣か………ない……」
この世に生まれ落ちた、愛されるべき命は、その誕生の瞬間、自分の存在を知らしめる術を───………
産声を、上げなかったのだ。