Magic Academy ~禁書に愛された少女~
テレポってやっぱ便利よね。


さっきまでいた部屋から一瞬で、見覚えのある魔法具庫の目の前まで移動した。

「さ、入りましょうか」

そういうと、小さな声で、学園長は何かを呟き始めた。小さすぎて、何を呟いているのかは聞き取れなかったが、学園長が手を扉に近づけた瞬間、ぱぁっと扉が光始め、扉がぎぃっと重い音をたてながら開いた。

埃っぽい空間。
少し前に感じた懐かしい空間に、少しだけどきどきする。


懐かしいな、ここでシークに初めて会ったんだよね。
…出会って別に時間がそんなにたってるわけじゃないのに。変な感じ。


少しくすっと笑うと、学園長がにこっと微笑んできた。

「何か楽しいことでも思い出したの?」

聞かれてそらははっとする。

「いえ、なんでも…」

少しだけ気まずそうに首を横に振る。

「さ、どうぞ」

言われて倉庫の中に足を一歩踏み入れる。その瞬間、壁際に飾られていたロウソクに一斉に灯がともった。

「明るい」

前にシークに出会ったときとはうってかわって、あたりはとても明るい。

「禁書は奥に封印されているわ」

学園長のあとをついてそらはゆっくりと奥へと進んだ。
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