Magic Academy ~禁書に愛された少女~
「え?えぇ??な、なになに??」

箒に懐かれるという人生初めての体験に、そらが戸惑っていると、笑ってシークが言った。

「一緒に連れて行ってやってくれないか」

「え?」

シークの言葉に首を傾げるそら。
が、まるで犬のように、箒の穂の部分をわさわさと動かしているのを見ると、なんとなく置いていくのが可愛そうな気がして、そらは少し悩んだ。


捨て犬ならぬ捨て箒っていうやつ?
うーん…でも、どうなんだろ、勝手に持って行っちゃっていいのかなぁ…


悩むそらに、シークが言う。

「元は俺のものなんだ。そらが嫌なら仕方が無いが…一緒に連れて行ってやってくれないか」

言われて、そらはもう一度スレイプニルを見やった。

「…まぁいっか」

そらは苦笑しながらスレイプニルを手に取った。

「スレイプニル…って私も呼んでいいのかな?」

遠慮がちにそらが言うと、スレイプニルはそらを乗せて、また、体育館の中を飛び回り始めた。

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