Magic Academy ~禁書に愛された少女~
「な、なに?」
慌てふためくそらに、アッシュは顔を俯けた。
「ごめんね?今まで黙ってて」
アッシュがしゅん、となる。そんな彼を見て、そらは首を横にふった。
「そりゃまぁ…驚いたけどさ。謝ることは無いんじゃない?別に、何かやましいことがあって、女の子の格好してたわけじゃないんでしょ?」
そらが聞くと、アッシュはこくんと頷いた。
「ここの学校はさ、制服の着用義務があるけど、男でも女でも、どっちの制服でもいいのよね」
アッシュがそう言うと、そらは驚いたように、そうなの?と聞き返した。
「うん。どっちでもいいんだ。ちゃんと制服を着ていればね」
はぁ、とアッシュはため息をついた。
「ホントは、いつか打ち明けなきゃって思ってたんだけどさ。でも、そんな機会が無くって」
アッシュは顔を上に向けた。
「今でも、あんまり私みたいなのって、歓迎されなかったりすることが多いから」
アッシュの言葉に、そらは俯いた。確かに、昔に比べて、今ではだいぶ理解してくれる人たちも増えた、とは言われているけれど、偏見を持った人たちが、いなくなったわけじゃない。
「カミングアウトするの、怖かったんだ。そらも、うみも、ドルイドも。いい奴だから…もし、嫌われたらどうしようって…」
アッシュの目から涙が零れ落ちる。そらは、ぽんぽん、と、アッシュの頭を撫でた。
「アッシュはアッシュでしょ?私は、アッシュが男でも女でも関係ないよ」
にっこり笑って告げると、アッシュは泣きながら抱きついてきた。
「そらぁ!私、私…!」
よしよし、と背中をさする。
「それにね?私なんて、魔法が使えることが当たり前のこの世の中で、使える魔法が皆無に等しいんだよ?小さいときから、よく、白い目でみられたり、いじめられたりしたもんだよ」
両親が無くなってしばらくの間、親類を頼ることになった時のことを思い出した。いく先々で、体裁が悪い、だとか、呪われた子だ、とか、いろんなことを好き勝手言われていた。近くにいたら、魔力がなくなる、なんて訳のわからないことを言われて、追い出されたこともあった。
「でも、そんな私と、アッシュは仲良くしてくれた。でしょ?」
そう。
最初は知らなかったとしても、今はもう、私が魔法をほとんど使えないことはアッシュ達に限らず、学校中の人間が知っていることだ。
だが、その事実を知っても、自分に対する態度が、彼らは全く変わらなかった。
そらが笑いながら言うと、アッシュはぎゅっと抱きしめる腕を強めた。
慌てふためくそらに、アッシュは顔を俯けた。
「ごめんね?今まで黙ってて」
アッシュがしゅん、となる。そんな彼を見て、そらは首を横にふった。
「そりゃまぁ…驚いたけどさ。謝ることは無いんじゃない?別に、何かやましいことがあって、女の子の格好してたわけじゃないんでしょ?」
そらが聞くと、アッシュはこくんと頷いた。
「ここの学校はさ、制服の着用義務があるけど、男でも女でも、どっちの制服でもいいのよね」
アッシュがそう言うと、そらは驚いたように、そうなの?と聞き返した。
「うん。どっちでもいいんだ。ちゃんと制服を着ていればね」
はぁ、とアッシュはため息をついた。
「ホントは、いつか打ち明けなきゃって思ってたんだけどさ。でも、そんな機会が無くって」
アッシュは顔を上に向けた。
「今でも、あんまり私みたいなのって、歓迎されなかったりすることが多いから」
アッシュの言葉に、そらは俯いた。確かに、昔に比べて、今ではだいぶ理解してくれる人たちも増えた、とは言われているけれど、偏見を持った人たちが、いなくなったわけじゃない。
「カミングアウトするの、怖かったんだ。そらも、うみも、ドルイドも。いい奴だから…もし、嫌われたらどうしようって…」
アッシュの目から涙が零れ落ちる。そらは、ぽんぽん、と、アッシュの頭を撫でた。
「アッシュはアッシュでしょ?私は、アッシュが男でも女でも関係ないよ」
にっこり笑って告げると、アッシュは泣きながら抱きついてきた。
「そらぁ!私、私…!」
よしよし、と背中をさする。
「それにね?私なんて、魔法が使えることが当たり前のこの世の中で、使える魔法が皆無に等しいんだよ?小さいときから、よく、白い目でみられたり、いじめられたりしたもんだよ」
両親が無くなってしばらくの間、親類を頼ることになった時のことを思い出した。いく先々で、体裁が悪い、だとか、呪われた子だ、とか、いろんなことを好き勝手言われていた。近くにいたら、魔力がなくなる、なんて訳のわからないことを言われて、追い出されたこともあった。
「でも、そんな私と、アッシュは仲良くしてくれた。でしょ?」
そう。
最初は知らなかったとしても、今はもう、私が魔法をほとんど使えないことはアッシュ達に限らず、学校中の人間が知っていることだ。
だが、その事実を知っても、自分に対する態度が、彼らは全く変わらなかった。
そらが笑いながら言うと、アッシュはぎゅっと抱きしめる腕を強めた。