Magic Academy ~禁書に愛された少女~
アッシュがそう言って目を開けると、目の前には、うみとドルイドの姿があった。うみとドルイドは絶句していた。

「良かった!アッシュ、脱出成功だよ!」

そう言った瞬間、アッシュが素っ裸になっていることに気がついた。

『何で!?』

アッシュとそらが驚いていると、そらにシークが笑いながら話しかけてきた。

(お前…魔封じの札、使ったんだろ?)

(それがどうかしたの?)

わからないのか?といった風に、シークが言葉を続けた。

(そらとアッシュの服は、俺の魔法で作ったものだぞ?)

「あぁ!」

言われてはっとする。アッシュのテレポと、シークのテレポが重なってしまったら、下手をすれば、3人とも、次元の狭間に流されてしまう可能性がある。それで、アッシュのテレポが発動されないようにするため、アッシュの背中に魔封じの札を張ったのだった。

「アッシュ!おまえ、男なのか!?」

うみの声に、アッシュは何も言えなかった。ただ、黙って俯いていた。

「トランス」

ドルイドの声が聞こえた。アッシュに服を着せてくれたのだ。

「ドルイド…」

アッシュが困惑した表情でドルイドを見ると、ドルイドはうみをみた。

「アッシュはアッシュだ。それだけのことだ。だろう?うみ」

うみに話しかけると、うみは大きく深呼吸をして答えた。

「そうだな。アッシュはアッシュだ。女だと思ってたからよ。ちょっとびっくりしちまって」

うみが苦笑いすると、あ!とそらの方を向いた。

「そういや、そらは知ってたのか?」

聞かれてそらも苦笑した。

「うん、さっきちょっとしたハプニングがあって。私もその時知った」

アッシュはごめんね、と俯いて謝った。何度も、何度も謝っていた。
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