Magic Academy ~禁書に愛された少女~
「…うみたちが待ってるんで、もう、行きますね」

ペコッとお辞儀をして、そらはその場を走り去った。

「ね、シーク。オリゼ先生って何者なんだろ」

ボソッと呟くと、シークはさぁな、と、小さく答えた。


「そらの魔力は一体…」

オリゼは走り去るそらの後姿を見つめながら、ボソッと呟いた。


そらに触ったとき、魔力がまったく感じられなかった。


じっと手を見つめる。


いや、そらに魔力がないなんてはずは無い。入試で確かに、そらは自力で飛んでみせた。
あの時は、まだ学園の中に入ったことはないはずだから、禁書に触れる機会も当然ない。


ぎゅっと手を握り締めた。

「魔力がまったく無いのに、なぜ、魔法が使えるんです…」

オリゼはまた、そらの走っていったほうを見やった。
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