Magic Academy ～禁書に愛された少女～
シャランと音を立てて、シークがそらの首にかけられた。シークがいつもの場所に戻ってきて、少しほっとするそら。

「すみません、ありがとうございます」

シークを指でつまみ、無事に戻ってきたことにほっとして、微笑みながら見つめた。


お帰り、シーク。


心の中でそう呟くと、そらは顔を上げ、オリゼに向かって微笑んだ。オリゼも、そんなそらの顔を見ると、ふっと笑った。

と、ちょうどそのとき、ドアを誰かがノックする音が聞こえてきた。そらはパタパタと玄関へと向かった。

「はーい」

玄関を開けると、アッシュの姿があった。手をひらひらとさせながら、満面の笑みでそらを見てきた。

「おはよ、そら。今日も元気に七不思議について調べるわよ！」

そう言った瞬間、アッシュが「あ！」と声を出した。何事かと思って驚いたが、すぐに理由がわかった。アッシュの視線の先をたどると、オリゼの姿があった。

「おはようございます、アッシュ。今日も元気ですね」

にっこりと笑うオリゼに、アッシュはわけがわからない、といった顔で首を傾げた。そんなアッシュの顔を見て、オリゼは笑った。

「どうかしましたか？」

言われてアッシュは我に戻るとふるふると首を横にふった。

「いえ、オリゼ先生がいると思わなかったから」

アッシュはそう答えて頷いた。

「そうよ、先生、どうしてこんな朝早くからそらの部屋に居るの？」

怪訝そうな顔でオリゼに詰め寄るアッシュ。オリゼは苦笑いしながら答えた。

「いえ、君達が七不思議について調べていると聞いたものですから、そのお話を伺いに」

言われてアッシュは少し顔が引きつった。

「あまり、無茶をしてはいけませんよ？」

そう言うと、オリゼは部屋を出た。

「あぁ、そら。後で学長がお話があるそうです。時間がきたら、使い魔をよこしますので」

にっこり笑ってそう伝えると、オリゼはそのままその場を去っていった。
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