Magic Academy ~禁書に愛された少女~
ふと、オリゼが、机の上においてあったシークを手に取った。


のあぁぁぁ!


焦るそら。が、慌ててそれを取り返そうとすれば、明らかに怪しい。
どうしようとだらだらと背中に汗をかきながら、ことの成り行きをじっと見つめる。オリゼが真剣な表情で、じっとシークを見つめながら口を開いた。

「可愛らしいネックレスですね」

そらの方をみて、笑ってオリゼが言った。が、目が笑っていない。その表情が怖くて、喉が渇き、張り付くような感じがして、そらはうまく声を出せない。

「そ、ですね」

必死で声を絞り出して、頷く。心臓が大きく早く音を立てて鳴る。


オリゼ先生に気づかれないで!


祈るような気持ちで、平静を装うそらを、オリゼはじっと見つめていた。暫らくの後、ふっとオリゼが笑った。

「今日も七不思議を探しに行かれるのですか?」

言いながら、シークをそらの首にかける。オリゼからふわっと柔らかな匂いがした。

「たぶん、いくと思います」

不思議と緊張がほぐれた。そらはふぅ、と息をついて答えた。
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