禁じられた遊び
「け…警察って…」

あたしは、居間に見える制服の警察官をちらりと見やった

「詳しくは中で話す…が、今はとりあえずここを離れよう」

「あの…克波君は歩き?」

「ああ、何で?」

あたしは靴を履きながら、勇人さんに質問をした

勇人さんは不思議そうな顔をして、ドアノブに手をかけている

「だって…克波君、骨折してるから・・・」

「何?」

「昨日…」

「西岡にやられたのか?」

「え? 良太郎?
何で? 
克波君のお父さんにだけど…あっ、えっと違う…というか
ひ…ひみ…秘密…だから」

内緒にしておくように言われていたのを思い出した

つい、車で拾ってあげようよ…と言いたかっただけなのに

きっと痛いはずだから・・・と思ったのに

「内緒にして…ください」

あたしは、勇人さんの顔を見上げる

勇人さんはにやりと微笑んでいる

「その情報にいくら払うんだ?」

「え?」

「冗談だ」

勇人さんが口元を緩めると、外に出て行った

門のところに、テツさんの車が止まっていた

車に乗ると、テツさんがにこにこと笑っていた

「今回はいくらです?」

「10万だ
警察相手じゃ……金にはならねえよ」

「残念ですね」

「まあ、いいさ
次は克波から大金をせしめるから」

「え?」

あたしは隣に座っている勇人さんを見た
< 156 / 200 >

この作品をシェア

pagetop