おいしい紅茶を飲む前に
窓が開かれて、見事にハンサムな貴族様が顔を覗かせた。

一瞬、息を飲むほど。

「見つけましたよ、メアリーアン」

あ。そんな名前なのね。

「あら、すごいわ。おはよう。ジェラルド」

そして、それが貴族様の名前。

「そのおはよう、はワタクシのためにわざわざ選んで下さったご挨拶? もしかして」

「えぇ。使えるときに使っておかなきゃ。朝のご挨拶よ」

「気を遣っていただきまして」

「どういたしまして」

「お迎えに上がる時間を決めてなかったと気付きましてね。何時がよろしい?」
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