おいしい紅茶を飲む前に
「どうして君が。社交欄担当になったんじゃなかったのか? 今日はレセプションだって聞いたと思うけれど」

「通りかかっただけなの。人が集まっていると気になるじゃない、やっぱり」

「ほほう」

「信じてないのー?」

「信じてるよ。君がまっすぐに家に戻って、夜のための仕度をしてくれることをね」

「そうだわ。それで私、急いでいるところだったわ。大変。ジェラルドを待たせたら、またどんなことを言われるか」


 熱中度の非常にお高くていらっしゃるご婦人の横から、お姉さまは飛び出した。

会話の終了を予期したシェリルは的確に移動しながらも、その最後の部分を聞き逃しはしない。
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