おれの恋


「さて、出ましょう。」


オカンの言葉で、怠そうに腰を上げるオトン…


そんなに嫌なら、わざわざ来なくて良くね?


まぁ、俺と空を2人っきりにさせない為に

オカンがオトンに言ったんだろうけど。




『忘れ物ない!?』


「大丈夫やで!!」


そう言ってピースをする空


昨日、凹んでたのが嘘みたいに笑顔。




なんか…安心した反面、少し切なかったり…。



(複雑やなー…。)





前にオトンとオカン

後ろに俺と空



荷物で隠してバレない様に、手を繋ぐ…



隣に座る空を見ると、窓の外をボーっと眺めてるだけで、ビクとも動かない…。




行くな

行くな

行くな

行くな!!!!!!




俺…この期に及んで、往生際が悪いやろ?


『「はぁー…」』



空と同時に、溜め息が出て

顔を合わせて笑う







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