おれの恋



「上まで来なくて良いから!それじゃ、元気でね。」


『俺、ホームまで行って来るわ!』


空の荷物を持ち、車を降りようとした時…



「ダメよ!!!!!」


ダンマリだったオカンが口を開く…



『はぁ!?うっさいんじゃ。』


「ここで良いじゃない!空も早く行きなさい。」



どんだけ自分勝手なババアや…



「はいはい、行きますよ。ほな〜さいなら♪」



ドアが閉まり…


ドア越しに空と目が合い、口パクで…

"あ り が と" って言った後

背を向けて、人混みに消えて行った。



「行ったわね〜♪さぁ、アタシ達も帰りましょう!」


ルームミラーに映ったオカンの顔が

パーッと明るくなったのを見逃さなかった



『おい、ババア!!最低やな。』


自分の娘を追い出して?

思い通りになったか知らんけど

その顔はなしやろ…?



「あら、失礼しちゃうわね!!」


『存在その物が失礼なんじゃ。気付けや』


「光、あんたも空に似て来たわね。可愛くない」



そりゃ〜瓜二つの姉弟なんで

性格も、似てても不思議ちゃうやろ?笑






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