おれの恋


その後、普通に世間話なんかして

来月、高校を卒業する茜は…大人っぽさの中に
幼さが見え隠れする。


話た感じ、良い子だとは思う。だけど…

それ以上も、それ以外もない。


正直、好意なんて絶対に持てない。って思ったし
そんな俺自身に、嫌気がさして
言わなくていいのに…小さな罪悪感から逃げたくて…

なにより、これから先…長い期間を一緒に生きて行くんやから言おうって思った。



『実は…俺、好きな人…おるねん。隠してられなくてさ…言っておこうと思って…』


「え…そうなんや…」


さっきまで笑っていた茜の顔が、一瞬にして真顔になる。



さすがに、姉ちゃんとは言えないけど…



自分の気持ち…誤魔化したくないって言う
単なる俺の独りよがり。

自分の事で一杯一杯すぎて
人の気持ちまで考える余裕がない…



「それでも…構いません。ゆっくり、あたしの事…好きになってくれたら、それでいいです。」


好きになる保証なんてないのに…

寛大やな〜。なんて…まるで他人事みたいに思ったりした。


だけど、目の前で頬をピンクに染めて微笑む茜を見たら…
ほんの少しだけ、興味が湧いた様な気がした。



「幸せに…します!!」


へぇ〜、それは頼もしい。笑


って、ソレ…男のセリフだよな…



『あはは…。』


情けない!!!!!









『暗くなってきたし…そろそろ出る?家まで送るで!』





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