窓、ひらけば君と恋。

二人っきりの家?!

事件は朝起きた…


「一泊旅行?」


「そうなのっ!くじ引きで当てちゃってね。2ペアご招待で。松原さん夫妻も行くことになったの!」


お母さんは嬉しそうに話していた。


「いってらっしゃい…今日は土曜日だし。ゆっくりしてくれば」


その時はまだ旅行には賛成だった…


「それで…心配なのが香澄。一人で大丈夫?最近この辺で空き巣の被害も出てるから…」


お母さんは荷物を持って玄関まで行くと、


「どうしよう…おじいちゃんの家に行く?」


「いいよ!一人で大丈夫!ねぇ!お父さんもお母さんも心配しないで」


「そう?」


二人は玄関を開けて外に出た。
すると松原さん達が待っていた。そこに松原君もいた。


「香澄。何かあったら電話しなさい」


分かってるよ!


「もしかして香澄さんが心配なの?」


松原君のお母さんが話しかけてきた。


「もしよかったら。この子貸しましょうか?」

そう言うと松原君を呼んだ。


えっ…まさか…


「いいんですか?でも男の子がいるだけでも安心するわ…どうしよう」


無理!!無理!!安心って逆に心配じゃないの?


松原君も驚いてるじゃん!

そもそもお父さんが許さないんじゃ…


「どうする?お父さん」

お母さんが聞いた。


「それのほうが安心だな。いいかな?松原さん」




……おっ…お父さん??


「えぇ。じゃあ香澄さん。松原家でゆっくりしていってね」



うそでしょ!何考えてんの!!心配するどころか安心するなんて!


「無理だよ。蒼井も大丈夫って言ってるだろ」

松原君も反発した。


「私は一人でも…」


「ダメッ!安心できないわ!松原君よろしくお願いします」


お母さん…!!


「英人!香澄さんを頼んだ!」


そう言い残し車は発車した…


「何考えてるの…あの家族…」


私はちらっと松原君を見た。


困り切った顔してるし…


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