窓、ひらけば君と恋。
「ゴメンね…私自分の家に戻るから…」


空き巣の話は怖いけど、松原君と二人きりは無理…


「まぁ…なんかあったら呼んでよ」


「分かった…じゃあ…」


二人は自分の家に戻って行った。






時計の針は8時をまわっていた。


私は早めにお風呂に入り夕食を済ませてゆっくりすることにした。


自分の部屋で勉強をした。隣の窓には明かりもついているし大丈夫…



お母さん達も心配しすぎ。空き巣なんて…もう…

一人でも大丈夫なんだから…



すると…


パタパタ…


「えっ…なんか足音……」


パタパタ…


「嘘でしょ…空き巣犯?」


私はだんだん足音が近づくのが分かった…


パタパタ…


「……くん」


「松原君…誰かが…」



私は声が出なかった…



足音が私の部屋の前で止まった…



「嫌だ……」



助けて…


「松原君…!」


やっと声が出た。



窓から松原君がでてきた。


「何?」


「だ…誰かが私の部屋の前に……いる」


そう言うと松原君は窓をおもいっきり開けて、


「早く!!こっちに来い!!」


「無理!怖い…落ちたら死ぬ…」


下には一階の屋根があり、そこを渡れば向こうに行ける。


「死なないよ!早くオレに飛び込めって」


パタパタ…


また足音が…!


「ちゃんと掴んでよ…」


「あぁ…大丈夫だから」


私は窓を飛び越えると、屋根をつたってジャンプした。


そして松原君に飛び込んだ。


松原君は私を抱きしめると勢いでベッドに倒れ込んだ。



どさっ…



松原君は私が大丈夫なことを確認すると私の部屋を見た。




すると、



ミャー



「猫?」


えっ?


足音の犯人は…猫だった…


「どこから入って来たんだよ…」


「よかったぁ…」


私は安心するとベッドにもう一度倒れ込んだ。



んっ?



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