共鳴り
俺はレイコさんの顔を見た。


この人の言わんとしていることがわかって、自分がどれだけ馬鹿なのかを痛感する。


清人が俺の立場やったら、間違いなく、それでも死ぬな、って思うはずや。



「清人は俺が死なせん。
そのためやったら何でもしたる。」


レイコさんは口元を緩めてくれた。



「おい!」


呼ばれ、弾かれたように顔を向けると、そこには嶋さんの姿。


驚いている俺をよそに、彼はこちらへと歩を進めてくる。



「手術、終わったみたいだぞ。」


「じゃあ、無事なのね?」


俺の代わりに聞いたのは、レイコさんだった。


それには答えず彼は、「512号室だ。」と言った。


急いできびすを返そうとする俺に、待てよ、と嶋さんが制止する。



「まだ意識取り戻してねぇんだよ。」


「……え?」


「致命傷じゃないと医者は言ってるが、意識が戻らねぇ限り、危ねぇ状態に変わりはないらしい。」


そこまで言われ、また俺の足がすくんだ。


漠然と、手術が終われば清人は目を覚ますモンやと思ってたのに。



「…麻酔とか、しとるからやろ?」


「それならもうとっくに起きてるだろうよ。」


声が震えた。


それは、俺らがどんなに何を願ったとしても、本人が目を覚ますことを拒んでいる、という風に聞こえたから。

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