共鳴り
「キヨな、密かにレイコさんの部屋からの眺め、好きやってん。」


「…だから?」


「中学の頃もな、屋上大好きやってん。」


そこまで言っただけで、彼女には全て伝わったのかもしれない。


一度息を吐き、レイコさんは視線を落とした。



「じゃあこれは、神様が彼に与えたチャンスかもしれないわね。」


死ぬことが出来る、チャンス。


レイコさんが“神様”なんて虚像を口にしたからか、余計にリアリティーがあるように感じてしまう。



「本人が望むなら、他人が口を出すことじゃないわ。」


「じゃあレイコさんは、アイツが死んでも良いと思う?」


言葉はなかった。


でも、迷ってる顔やった。



「何を願ってやることが、アイツのためになるん?」


死んで欲しくないと思うのは、俺の我が儘なんやろうか。


アイツはもう十分この世界で苦しんだのに、俺はそれでもまだ、生きてて欲しいって言えるんやろうか。


一体何を願えば、清人は喜ぶんやろう。



「…話、したの?」


「え?」


「ジルくんと話する、って言ってたでしょ?」


俺は首を横に振った。



「アンタいつも、逆の立場で考えるんじゃなかったの?」

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