国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
父王の出奔により、15で王になったときから、マルスはたいして政治に感心はなかった。
政治に、というより、この世の全てのものに関心がなかったのかもしれなかった。
生きる理由があって生きるというよりは、死ぬ理由がないから仕方なく生きている、
そんな感じだった。
別に、親に疎まれて育ったわけでも、辛い境遇にあったわけでもない。
むしろ、王としては欠陥品の男も、父親としては満点をつけられるくらいおもしろく、
母も彼のことをとてもかわいがった。
ただ、マルスは幼いときから、自分には何かが欠けているような気がしてならなかった。
誰に相談しても、みんな、
そんなことはありません、マルス様は完璧な王子です、
と似たり寄ったりの言葉を返した。
そのうち考えるのにも飽きてきて、マルスはただ適当に毎日を過ごしていた。
全てを叔父であるアニウスに任せきりで、彼はアニウスが決めたことにただ頷いていればよかった。
アニウスの言葉は相談ではなく報告であったが、
それはマルスにとって、今日の朝食のデザートがオレンジかりんごかくらいどうでもいいことだった。