国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

マルス様、と話しかけられて、マルスは自分の手が止まっていることに気づいた。



・・やはり、お口に合わないのかしら。



レアは、マルスにふるまわれて自分が初めて食べた、たくさんの舌が蕩けそうな食事を思いだして、

マルスが、自分と同じものを食べる気がしないのだろうと思った。


「神官の方々が、首を長くして待っておりますわ。そろそろ移動なさいますか?」


レアは、マルスが恥をかかないよう、マルスの残した皿には目をやらずに尋ねた。


「いや、まだ食べ終わっていない」


レアの真意が伝わって、マルスは余計に食べないままでは終われなかった。



・・王であるこの俺が、ここにいるものたちの食事を口にできなくてどうする。



マルスは一口一口噛み締めるようにゆっくりと味わうと、最後のひとかけらを口に放り込んだ。







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