国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

マルスの大きな体が、いつもより小さく見える。

レアは、一度謝ってもらえただけで、自分には十分幸せなことだと思った。


「マルス様。

私が、巫女見習いとして、初めて神殿に入ったとき、

二度と肉親とは会えないと思え、と一番最初に諭されました。

母と再会はできなくても、私は生きて兄と会うことができました。

とても、幸運なことです」


レアはマルスの顔を覗きこむようにして微笑んだ。

碧の美しい瞳が、すぐ目の前に現れて、マルスの背筋に、しびれるような感覚が走った。


「レア。俺は、お前に聞いてほしいことがあって来たのだ」


「はい」


「俺は、今まで、王としての役目をまったく果たしてこなかった」


驚いて、マルスの言葉を否定しようとするレアをさえぎって、マルスは熱く語りはじめた。

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