国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
マルスは、椅子に腰掛けると、レアにも座るよう促した。
「お前は、父親の借金のかたに、売られたそうだな」
マルスは机の上に大きな掌を組んで乗せると、親指の爪と爪をこすり合わせた。
「・・兄から聞いたのでございますね」
「そうだ。彼が仕事に出かけている間に、お前が売られていたのだと。
すぐに探しに行きたかったが、取り返すだけの金もなく、
それになにより、自分がいなくなると、母の面倒をみるものがいなくなるからと」
マルスは、何度も爪をはじきながら、独り言のようにつぶやいた。
「父は、昼間から酒を飲んでは暴力を振るう人でしたから。
兄は、よく私や母をかばって、父に殴られていました。
生計は、ほとんど兄が担っていたので、そういう意味でも、母を置いては出られなかったのだと思います」
「そうか・・。母上は、お亡くなりになったとか」
マルスは、ぎゅっと唇をかんだ。
暗くてレアには見えなかったが、言葉の端々に、思いやりが見え隠れして、レアは嬉しく感じた。